地図は苦手だけど、路線図は好きらしいよ。

わたしの忘備録。備忘録。。。

綺麗なお箸の持ち方が生きやすさにつながるかもしれない、らしいよ。

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わたしの祖母は、とても個性的な人だった。

NPOを運営し

原発に反対し

無農薬の食べ物を好み

旅行を楽しんだ。

なんでも買ってくれたり

いつでもお金をくれたりということはなく

それでも

わたしたち姉妹にバレエを習わせ

たくさんの自然体験に連れて行ってくれた。

そのくせ自分の生活にだらしなく

部屋はぐっちゃぐちゃだし

夜更かしで

リビングで寝落ちしてばっかりいた。

あと、あんなに食べ物にこだわっていたわりに、あっさりと亡くなってしまった。

あの一晩は、いつまでたっても忘れられないしなんとなく忘れたくなくて

備忘録に記した。(それが、こちら↓)

 

sanmari-store.hatenadiary.jp

 

そんな祖母は、とにかく厳しかった。

 

挨拶をすること

年金の学生猶予の申請をすること

そして、食事のマナー

 

小5の頃かな。

祖母のNPOの関係で一緒に山へ泊まりに行った。

然の家のような場所に泊まったから、食事は食堂。

 

いざ食べようとお箸を持ち食べ始めた時

祖母の仕事仲間がわたしに声をかけた。

「お箸の持ち方が綺麗だね」

と。

正直、お箸の持ち方には自信がなくて

現に、しょっちゅう祖母から注意を受けていた。

だから、まさか自分がお箸の持ち方で褒めてもらえるとは思ってもいなくて

ただ、びっくりしてしまった。

わたしが、びっくりして言葉が出ずにいると

正面に座っていた祖母が

「ありがとうございます」

とただ一言お礼を述べて笑っていた。

わたしも慌てて、でもちょっとはにかみながら

「ありがとうございます」

とお礼を述べて、食事に戻った。

 

普段は

「お箸の持ち方くらいでいちいちうるさいなぁ」

「そもそも、正しいってなんだよ」

なんて思っていた。

 

だって

まぁでも別に、お箸を使って食べることができれば

それがどんな持ち方であろうとその人の勝手じゃん。

ほら、養老孟司さんだって

誰かの正義を押し付けることは

押し付けられた人にとってはノイズでしかない

っておっしゃってたし。

 

美味しければいい。

 

だから、なんというか。

お箸を正しく持てることは

マイナスにはならないけどプラスの評価にはつながる

そんなところなんじゃないかとも思うわけです。

 

だけどあの時のわたしは

・初めて出会う他の人に褒めてもらったこと

・それが祖母の知り合いだったこと

・いつも厳しい祖母が笑ってくれたこと

がとてもとても嬉しかった。

 

その後もたくさんの人と食事を共にしてきた。

別に箸の持ち方一つで他人を判断しようとは思わないけれど

初対面の人同士が出会う場にお食事が付くことは、多くある。

その時に

この人はどんな環境で育ってきた人なんだろう

を知る一つの手がかりとしてお箸の持ち方然り挨拶然りがあるんじゃないかと思う。

ただ機械的に覚えるのではなく

私のエピソードのように

綺麗なお箸の持ち方をする理由

体験的に学んでいく。

 

祖母のうるさい小言も

結局は、わたしの生きやすさにつながっていったのかもしれないと思うと

今更ながら感謝です。

 

というわけで

お盆も祖母の眠っているお山を訪ねに行こう。

(トップの写真は、祖母の眠っているお山。

 彼女は、最後までこだわるオンナだったので、樹木葬を選びました。)